VOCA2013始まりました
上野の森美術館でVOCA2013が始まりました。
先週は、VOCA賞20周年記念シンポジウムとレセプションに行ってきました。
カタログの私の作品ページにはこの展示の推薦者である美術ジャーナリストの名古屋覚さんの批評が掲載されています。
その言葉を読んで、打ち震えたのでここに掲載します。(ご本人に掲載許可済みです)
油絵には2種類しかない。面白い油絵と、つまらない油絵である。私が注目するのは、第一に描き方、第2に内容。描き方とは技術ではない。現代に油絵を描くことの意味を考えて描いているかということ。描く姿勢ともいえる。内容は具象でも抽象でもよい。誰も見たことがないもの、また誰もが見ているものを全く別の視点で捉えたもの、かつ油絵でしか表現できないもの。第一の展は19世紀後半から多くの画家の関心事となり、この点が絵画の価値のほとんどを占めた時期もあった。30年ほど前から第二の点が再び全面に出てくる。が、内容の工夫が過ぎるとイラストか公募団体のマンネリ画みたいになり、新時代を開く芸術ではなくなる。現代芸術として面白い油絵には、これら2点の均衡があるのだ。5対5はめったにない。6対4でも理想的。どちらに偏りすぎても、つまらない油絵になる。
4年前に大学院の講評会で知ってから私が見続けている中村友紀は、まだ目立つ場所で発表したことがない若手で面白い一人である。彼女の場合、例の割合は4対6か。油絵という技法を信頼する立場を取る。しかも、より端正に見せるためか画布ではなく板に描くほど。内容はというと、以前は花とか、湯の中で開く茶葉とか別に珍しくなかったが、昨年の個展で見たのは……。「変なもの」とさる人は評した。私は軽いめまいを感じた。その内容を維持しながら重心を第一の点に少し移すと、比類ない画家になれると思う。
名古屋覚(美術ジャーナリスト)
注目すべきワードは「比類なき画家」!!
1%でもそんな可能性を私に見てくださるなんて、私こそ大変なめまいを覚えます。
名古屋さんや応援して下さる人達が「先見の明があった」と言われるようにがんばりたいです。
さる人の評する「変なもの」を描いています。
空に水晶が浮かんで光っている光景です。
宗教的とか、シュールとか言われます。
それは、そう見えるのだから仕方のないことで、私はもっとモチーフを選んでいく必要があるな、とさらに痛感しました。
まぁ、今日まではそれで良かったのです。
水晶と空を用いて私の求める「光」を表現するにはそれが最善でそれしかありませんでした。
しかし、明日からはもう違うような気がします。
突然変えたりはしませんが、少しずつ次のモードにチェンジしていきたいです。
先日、頂いたいろいろな言葉をよくよく噛み砕いて消化してまた進みたいと思います。
本当に海の物とも山の物ともつかない大学院の2年の時から、見ていてくださった名古屋さん感謝です。
そういう方がいるから、描き続けることができるのだろうと思います。
たった一人だって描くとは思いますが、どれほど勇気づけられ、支えとなっているかは計り知れません。
私個人は本当に弱々しい人間だけれど、絵では光のような明るい世界を人に提示できれば、と強く思います。
思うところはまだ沢山あるけれど、次の機会にまた引用なども交えつつ書きます。
VOCA展2013は今月30日まで。
会期中無休です。
http://www.ueno-mori.org/voca/2013/
よろしくお願いします!
先週は、VOCA賞20周年記念シンポジウムとレセプションに行ってきました。
カタログの私の作品ページにはこの展示の推薦者である美術ジャーナリストの名古屋覚さんの批評が掲載されています。
その言葉を読んで、打ち震えたのでここに掲載します。(ご本人に掲載許可済みです)
油絵には2種類しかない。面白い油絵と、つまらない油絵である。私が注目するのは、第一に描き方、第2に内容。描き方とは技術ではない。現代に油絵を描くことの意味を考えて描いているかということ。描く姿勢ともいえる。内容は具象でも抽象でもよい。誰も見たことがないもの、また誰もが見ているものを全く別の視点で捉えたもの、かつ油絵でしか表現できないもの。第一の展は19世紀後半から多くの画家の関心事となり、この点が絵画の価値のほとんどを占めた時期もあった。30年ほど前から第二の点が再び全面に出てくる。が、内容の工夫が過ぎるとイラストか公募団体のマンネリ画みたいになり、新時代を開く芸術ではなくなる。現代芸術として面白い油絵には、これら2点の均衡があるのだ。5対5はめったにない。6対4でも理想的。どちらに偏りすぎても、つまらない油絵になる。
4年前に大学院の講評会で知ってから私が見続けている中村友紀は、まだ目立つ場所で発表したことがない若手で面白い一人である。彼女の場合、例の割合は4対6か。油絵という技法を信頼する立場を取る。しかも、より端正に見せるためか画布ではなく板に描くほど。内容はというと、以前は花とか、湯の中で開く茶葉とか別に珍しくなかったが、昨年の個展で見たのは……。「変なもの」とさる人は評した。私は軽いめまいを感じた。その内容を維持しながら重心を第一の点に少し移すと、比類ない画家になれると思う。
名古屋覚(美術ジャーナリスト)
注目すべきワードは「比類なき画家」!!
1%でもそんな可能性を私に見てくださるなんて、私こそ大変なめまいを覚えます。
名古屋さんや応援して下さる人達が「先見の明があった」と言われるようにがんばりたいです。
さる人の評する「変なもの」を描いています。
空に水晶が浮かんで光っている光景です。
宗教的とか、シュールとか言われます。
それは、そう見えるのだから仕方のないことで、私はもっとモチーフを選んでいく必要があるな、とさらに痛感しました。
まぁ、今日まではそれで良かったのです。
水晶と空を用いて私の求める「光」を表現するにはそれが最善でそれしかありませんでした。
しかし、明日からはもう違うような気がします。
突然変えたりはしませんが、少しずつ次のモードにチェンジしていきたいです。
先日、頂いたいろいろな言葉をよくよく噛み砕いて消化してまた進みたいと思います。
本当に海の物とも山の物ともつかない大学院の2年の時から、見ていてくださった名古屋さん感謝です。
そういう方がいるから、描き続けることができるのだろうと思います。
たった一人だって描くとは思いますが、どれほど勇気づけられ、支えとなっているかは計り知れません。
私個人は本当に弱々しい人間だけれど、絵では光のような明るい世界を人に提示できれば、と強く思います。
思うところはまだ沢山あるけれど、次の機会にまた引用なども交えつつ書きます。
VOCA展2013は今月30日まで。
会期中無休です。
http://www.ueno-mori.org/voca/2013/
よろしくお願いします!
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